歯周病治療

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歯周病とはどんな病気なのでしょうか?

歯周病とはどんな病気なのでしょうか?

「歯ぐきの腫れ」「歯ぐきからの出血」「強い口臭」「歯のグラつき」「朝起きたときの口腔内のネバつき」などはありませんか? それは歯周病のサインかもしれません。歯周病とは、歯を支える歯ぐきや顎の骨が少しずつ壊れていき、やがては支えを失った歯が抜け落ちる可能性がある病気です。まず、歯と歯ぐきの溝に、細菌が潜むプラーク(歯垢)や歯石が溜まり、歯ぐきが炎症を起こし、腫れたり、赤くなったりします。そして進行すると、歯と歯ぐきの溝が深くなり、歯周ポケットがつくられ、さらに歯のまわりの組織が壊れていくのです。

歯周病とはどんな病気なのでしょうか?

歯を失うのは老化現象だと思っていませんか? 「虫歯」のせいだと思うかもしれませんが、じつは「歯周病」が日本の成人が歯を失う原因の第1位です。ごく初期段階ではほとんど自覚症状がないので、静かに進行するのも手伝って、成人の約3割が感染または予備軍といわれるほど蔓延しているのです。歯ぐきの違和感に気づいたときには、お早めに京成本線新三河島駅より徒歩30秒、JR線西日暮里駅より徒歩7分の「西日暮里はやし歯科」にご相談ください。

歯を失う理由、公財)8020推進財団、第2回永久歯の抜歯原因調査(2018年)より引用

プラーク……それは細菌の巣です

プラーク……それは細菌の巣です

プラークとは、歯面に付着する白色や黄白色のネバネバした汚れです。歯の色と似ているのでちょっと見ただけでは分かりません。ブラッシングしても、歯と歯の間や歯と歯ぐきの溝などに残りやすく、そのままにしておくとやがて石灰化して歯石になり、歯ブラシでは落ちなくなるうえ、ザラザラしている歯石の表面には、プラークがさらに溜まりやすくなります。大豆一粒くらいのプラーク約0.3gの中には、おおよそ300憶個の細菌が含まれていて、細菌の出す「酸」によって歯が溶かされる虫歯になり、毒素によって歯を支える組織が炎症を起こす歯周病になるのです。

歯周病は全身の病気にも関連

歯周病は全身の病気にも関連

歯周病はお口の中だけの病気だと思っていませんか? 原因細菌が血管内に入り込み全身をめぐるとさまざまな部位で「悪さ」をすることが分かってきました。また誤嚥(ごえん)によって、食道ではなく気管に入ると、気管支炎や肺炎の引き金になることもあるので注意しましょう。

【歯周病と関連する全身疾患】
心疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産、メタボリックシンドローム など

歯周病は生活習慣病

細菌の感染症の歯周病は生活習慣に左右されます。また全身の免疫力が低下するとかかりやすくなります。とくに注意が必要な生活習慣は次の4つです。

喫煙習慣 タバコの煙に含まれる有害物質によって、毛細血管が収縮し、歯ぐきの免疫作用が低下します。
ストレス過多 たくさんのストレスがかかり心身が疲労すると免疫力が低下します。そして歯周病を含む感染症にかかりやすくなります。
よく噛まない 唾液にはお口の自浄作用があります。よく噛むと唾液がたくさん分泌されますが、あまり噛まないとその効果が期待できません。
間食が多い 食べ物が口にある時間が長いと、自浄作用がはたらく時間が短くなり、細菌が増殖しやすい環境が保たれてしまいます。

歯周病の症状と処置方法

歯周病の症状と処置方法

歯周病は歯肉炎と歯周炎に分けられます。歯肉炎は歯肉が炎症を起こしているだけなので、プラークや歯石を除去して丁寧なブラッシングを続けると症状がよくなります。歯肉炎が悪化して歯を支える組織が破壊されると歯周炎と呼ばれ、その度合いによって軽度、中等度、重度に分けられます。

軽度歯周炎

軽度歯周炎

ブラッシングの際に歯ブラシが当たると歯ぐきから出血することがありますが、まだ自覚症状はほとんどあらわれません。

おもな治療法
  • ブラッシング指導

歯周病の治療や予防の基本は汚れを落とすことです。そのための毎日のセルフケアのブラッシングの仕方をアドバイスします。

  • スケーリング

歯石は歯ブラシでは落とせませんので、スケーラーという器具を使って歯面にこびりつく歯石を除去します。

中等度歯周炎

中等度歯周炎

歯ぐきの炎症とともに歯を支える顎の骨がさらに溶かされた状態です。歯がグラつきはじめ、歯ぐきが下がって歯が長くなったように見えることもあります。

おもな治療法
  • ルートプレーニング

歯周ポケットの内部にこびりついた歯石やプラークを取り除いてから、歯面を滑らかにして汚れの再付着を防ぎます。

  • フラップ手術

局所麻酔後、歯ぐきを切開して歯根が見えるようにしてから、歯周ポケット深くの歯石やプラークを取り除きます。汚染された歯肉も除いてから歯肉を縫合します。

重度歯周炎

重度歯周炎

歯を支える顎の骨が半分以上溶かされた状態です。歯がかなりグラつき、出血や膿が出て、口臭が強くなります。

おもな治療法
  • GTR法

歯周ポケット内部のプラークや歯石を除去したあと、失った歯周組織を再生させるために、メンブレンという膜を設置します。歯周組織再生療法の一つです。

  • エムドゲイン

歯周組織再生療法の一つで、エムドゲインというジェルを用いて歯周組織がつくられるスペースを確保して再生を促します。

重度の歯周病治療にも対応します

GBR(骨誘導再生法)

歯周病で失われた顎の骨を再生するための処置です。人工骨や自家骨を設置して骨の再生をはかります。エムドゲインやGTR法と併用して行われます。

エムドゲイン

メンブレンではなく、エムドゲインという歯周組織の再生誘導のための薬剤を塗って、歯ぐきが入り込まないようにして歯周組織の再生を促します。

FGG(遊離歯肉移植術)

歯根のまわりに角化歯肉(コラーゲン繊維が豊富な動かない歯肉)がないとき、上顎の口蓋から上皮のついた歯肉を切り取って歯根のまわりに移植する処置です。

CTG(結合組織移植術)

FGGは上皮も一緒に移植するのに対して、CTGが結合組織のみを歯ぐきの組織(上皮と骨膜の間)に移植します。薄くなった歯ぐきの厚みを増やす処置です。

APF(歯肉弁根尖側移動術)

歯周ポケットが深くなるとプラークや歯石が付着しやすくなり歯周病が進行します。歯周ポケットを浅くして、歯根と顎の骨に付着する角化歯肉を保ち、増やす処置です。

定期的な通院で細菌の量を減らしましょう

定期的な通院で細菌の量を減らしましょう

歯周病や虫歯などのお口のトラブル予防のためには毎日のブラッシングが欠かせません。しかし、お口のすみずみまでプラークを落とすことはかんたんではありません。そこで定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアを加えてください。セルフケアでは落としにくい歯と歯の間や歯と歯ぐきの溝などに残るプラークや歯石を徹底的に除去しますので、口腔内の細菌の量が減り、お口のトラブル予防につながります。

定期的な通院で細菌の量を減らしましょう

これまでは、歯科医院には歯が痛くなってから「治療」に行っていたとしても、これからは、歯が痛くならないように「予防」に行くところと思ってほしいのです。定期的に歯科衛生士による口腔内チェックを受け、きれいにしてもらいましょう。そうすれば「歯医者=痛い治療」というイメージが、いつの間にか「歯医者=お口の中をきれいにして、虫歯や歯周病を予防するために通うところ」に変化するはずです。

歯科医院での口腔ケアメニュー

ブラッシング指導

ブラッシング指導

口腔ケアの基本は毎日のブラッシングでお口の中の汚れをしっかり落とすことです。しかし、みがきグセがあると、汚れが溜まり、プラークがつきますので、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせたブラッシングの方法をアドバイスします。

スケーリング・ルートプレーニング

スケーリング・ルートプレーニング

プラークが石灰化した歯石はブラッシングでは落とせません。そこで特殊な器具でスケーリング(歯石除去)します。そして歯石を除去したあと、歯面を滑らかに整えて、汚れをつきにくくするのがルートプレーニングです。

奥歯を大切にしましょう

歯の大切な役割の「咀嚼(そしゃく)」とは、食べ物を細かくして飲み込みやすく、消化しやすくすることです。奥歯には食べ物をすりつぶす役割があるので大きな力がかかります。そのため、奥歯を1本でも失うと、噛む力が低下するリスクを負うのです。それは、食べ物の消化吸収に悪影響を与えるだけではありません。噛むことで増える脳への血流量も不十分になりやすいので認知症も心配です。どの歯もとても大切ですが、とくに奥歯は定期的なプロフェッショナルケアでしっかり保ちましょう。

ご自宅での口腔ケア

毎日のセルフケアのブラッシングでは歯ブラシを使いますが、歯ブラシだけではお口のすみずみには届きにくいので、さらにデンタルフロスや歯間ブラシも併用しましょう。

デンタルフロス

仕上げ磨きが大事です

歯と歯の間の汚れを落とすための糸の束です。歯面に沿わせて小刻みに動かして、歯面の汚れをこそぎ落とします。大きく分けて糸巻きタイプとホルダーつきタイプの2種類がありますので、使いやすいタイプを選びましょう。

デンタルフロスの種類
糸巻きタイプ 右手と左手の指に糸の両端を巻いて歯面をみがきます。
ホルダーつきタイプ ホルダーの柄を持って、糸部分を歯面に沿わせてみがきます。
デンタルフロスの使用ポイント
  • ブラッシングをしたあと、鏡を見ながら丁寧に行いましょう
  • 歯ぐきを傷つけないように力を加減してください
  • フロスで汚れを落としたあとは、口をゆすいで汚れを洗い流しましょう
  • 糸がほつれたり引っかかったりするときは、虫歯の可能性がありますのでご相談ください
歯間ブラシ

歯間ブラシ

歯間ブラシは、歯と歯の間のすき間が広いときにおすすめです。さまざまな太さがありますので、ご自分の歯と歯のすき間に合う歯間ブラシを選び、すき間の大きさや向きに合わせて使い分けましょう。

歯間ブラシの種類

歯間ブラシには太さの違いだけでなく、I字型とL字型があります。扱いやすいタイプを選びましょう。

I字型タイプ 柄とブラシが一直線ですので、前歯の歯間の清掃がしやすい形状です。
L字型タイプ 柄とブラシが直角な形状です。奥歯の歯間に届きやすいタイプです。
歯間ブラシの使用ポイント
  • 歯と歯のすき間に合わせて歯間ブラシを選びましょう
  • 歯ブラシによるブラッシングも併用しましょう
  • 歯ぐきを傷つけないように鏡を見ながら丁寧にブラッシングしてください
  • 歯間ブラシを使ったあとは、口をゆすいで汚れを洗い流してください